星の数ほどある仕事ですが、中でも事務職は女性に人気のある職種です。
定時に帰れることが多く、残業もそんなにないイメージをお持ちの方は多いと思います。
実際に今の仕事が不定期で、休みも取りづらいのが悩みで、次は事務職に転職したいと考ている方もいらっしゃると思います。
でも、すぐに転職しても大丈夫なのでしょうか。
事務職は会社の業務や総務などにも関わってくるので、業務が落ち着いているときに入社できると、引き継ぎがスムーズにいく場合があります。
また、事務職に転職したくても、周りは違う仕事に就いている人ばかりで、直接話が聞けず、最初に何をどうしたらいいかわからないことも多いと思います。
そこで、事務職の転職にスポットを当てて、事務職の仕事やおすすめのエージェントだけでなく、転職する前にやっておくこと、転職するタイミングや転職が決まった後にやっておきたいことまでご紹介していきます。
1. 事務職に転職したいと思ったらまずやることは?
他の仕事をしながら、事務職に転職しようと思ったとき、まず会社を辞めてはいけません。
1-1. 事前準備と情報収集
まずは、事前準備と情報収集を行いましょう。
事前準備とは、自分自身について整理をすることです。
具体的は、「どうして転職したいのか」という大きな課題についてしっかり考えることです。
キャリアアップなのか、労働環境を変えたいのか、収入を上げたいのか、自分で転職先を選ぶ軸をしっかり持っていると、受けたい企業が絞られていきます。
むやみに多数の企業を回ろうと思っても、仕事と平行しながら行う転職活動は、動きも制限されます。
そのため、自分に合う条件をしっかり見極めることが大切になってきます。
そして、今まで携わってきた仕事を整理し、事務職でも活かせる実績があるか、今の仕事でどんなスキルが身に付けたのかを書き出していきます。
これは、応募書類や実際の面接で自己アピールするときに、すぐに応えられる状態にしておくと、転職活動をいざ始めたときに、説明会に参加して、そのときに担当の方に簡単に自分のことを聞かれた場面に遭遇しても具体的なアクションに移りやすいです。
1-2. 情報収集
次に情報収集です。
転職サイトやウェブサイトに掲載されている求人情報に目を通しておきましょう。
「給与はどれくらいもらえるのか」「事務職の仕事内容が業界的にどのように捉えられているか相場の感覚を先につかんでおくと、説明会で話を聞いたときや、面接官と話をすることがあってもすぐに話しが理解でき、的確な返答をすることができます。
どちらも転職活動が本格化したときに、応募先を選ぶひとつの基準となるので、まずは休み時間や通勤時間などに気楽にネットでチェックしてみましょう。
1-3. 入社して何年⽬がベストタイミング?
厚⽣労働省の調査「新規学卒者の離職状況」をみてみると、2017年の新卒者のうち⼤卒の約3割が3年以内に離職しています。
会社に入ってみたけど、すぐに退職する人も以前に比べて多くなっていますが、⼀般的には、⼊社後1年に満たないうちに転職活動をしてしまうと、「忍耐⼒」という点で採用側から心配され、嫌がられる可能性が⾼いです。
もし、前職から経験のない事務職の転職を考えるなら、⼀通りのビジネスマナーが身についた基礎力があり、新しいことを素直にどんどん吸収できる⼊社3年前後くらいがおすすめです。
収入面でのキャリアアップを狙うなら、5年前後の経験があると「即戦⼒」があると期待されます。
1-4. 転職に最適な時期
新卒の就職活動は期間が決まっていますが、転職は採用期間が決まっていません。
だからといって1年中企業の採⽤している訳でなく、1年の中でも意欲的な時期と消極的な時期があります。
企業が採用に意欲的な時期とされるのが、2月から3⽉にかけてと、8月から9⽉にかけてです。
理由は、2月、3月は新年度を控えているため、社内体制の検討をしている時期です。このタイミングで退職することも多いので、同時に人員を強化したいと考える企業が多いからです。
次に、8月から9月ですが、下半期に向けた採⽤がスタートする時期です。
社内では夏期休暇を挟むので、変化があまりなく仕事をしながらの転職活動をするのにも、比較的余裕があるからです。
今の仕事が閑散期だと有給も取りやすく、迷惑をかけることもないので、転職活動もスムーズに行うことができます。
自分の仕事の繁忙期にかぶらないようにスケジュールを確認しましょう。
1-4-1. 中途採用の求人が増える時期
転職に最適な時期とかぶりますが、中途採用の求人が増える時期は、2〜3⽉と、8〜9⽉と言われています。
この時期に転職する人のメリットとしては、求人が豊富なので、自分の希望に合った職種をしっかり選べます。
デメリットは、同じようなことを想定して、転職活動をする人が多いので、競争率は高くなります。
特に2月・3月は、新卒が内定をもらい、4月に入社するまでも期間とかぶります。
この時期に中途で採用が決まれば、新卒と一緒に社内教育ができるので、教育コストが抑えられるという目論見があります。
ただ、採用が鈍る時期も転職する人は見逃してはいけません。
入社が終わった4⽉以降から夏前くらいまでは、掘り出し物のようにレアな求⼈が⾒つかりやすい時期でもあります。
この時期は、人材不足でプロジェクトが進まない。退職者急に出たなど、どうしても人材が必要である状況が多いのが特徴です。
企業はすぐに⼈材を確保したいと考えているので、サクサクと内定をもらえる可能性を秘めています。
1-4-2. 第二新卒枠なら4月入社を狙う
第二新卒とは、入社したも会社の労働環境が悪く、自分が成⻑できないと判断して早々に離職した25歳以下の転職者を指します。
あえて「第⼆新卒」枠を設けて採用する会社もあります。
理由は、まだ以前の会社の⾊に染まる前に退職してるので、柔軟性があると期待され、4月入社の新入社員とほぼ同時に受け入れられるというメリットがあります。
転職者としては、新卒社員と同じ研修を受けられたり、年齢の近い仲間も多く、会社に馴染みやすい環境が整っている点がおすすめです。
2. 事務の仕事について
事務職という大きなくくりで仕事内容を説明します。
事務職といっても、具体的にどんな仕事があるのか、先に知っておく必要があります。
メインとなる仕事は、社外や社内からくる電話やメールの対応というのが一番に浮かぶかと思います。
大きな仕事は受付や会議室までの案内などの来客対応、パソコンでデータや注文、売上などの入力作業です。
仕事によっては文房具やコピー用紙などの備品を管理を行います。
具体的な仕事については、会社の規模や種類、配属先の部署などに異なります。
2-1. 男女の差はあるのか
事務職は男性より女性の方が多いイメージですが、差はあるのでしょうか。
事務職は一昔前は一般職という位置づけで、営業などの総合職に比べて給与面で差がありました。
そのため男性より女性が事務職に就くことが多かったという歴史があります。
厚生労働省の「男女労働者それぞれの職業生活の動向」によると、平成27年度の一般職では、男性2割:女性8割という結果になっています。
事務職である一般職は女性という傾向はまだありますが、総務や人事などで男性も活躍する場はあります。
2-2. 事務職の種類について
それでは、詳しく事務職の仕事をみていきましょう。
主に、メールや電話対応、来客の接客や社内の備品管理は、一般事務やOA事務と呼ばれています。
例えば、営業部門で働く事務職は「営業事務」と呼ばれ、見積書や請求書の作成・発送、在庫管理などを通して、営業職の社員のサポートを行います。
経理部門で働く「経理事務」は、経費の精算処理や日々の現金の出入りの管理、決算書類の作成補助などを担当しています。
また、部署に関係なく会社全体の仕事にかかわる「一般事務」という職種もあります。商社やメーカーなどで輸出・輸入に関する仕事を専門的に担当している「貿易事務」も事務職の一種です。
事務の仕事の中でももっと細かく分けることもあります。
2-2-1. 営業事務
営業部門で働く事務職。見積書や請求書の作成・発送や在庫管理を行う。営業職のサポートがメイン。
2-2-2. 経理事務
経理の精算処理や現金の管理、決算書類の作成補助などです、時には直接銀行へ行くこともあります。
2-2-3. 人事事務・労務事務
社員の採用や退職、異動に関する手続きや、給与の支払いに関するものが中心となります。
2-2-4. 総務事務
会社の運営に必要なものを準備・管理する仕事です。備品・設備の管理やオフィスや建物の防犯・防災対策も担当。
2-2-5. 法務事務
主に契約書のチェックと管理が主な仕事で、知的財産権や特許について、専門家や顧問弁護士とやり取りするこもあります。
2-2-6. 貿易事務
商社やメーカーなどは、輸出・輸入に関する仕事を専門的な仕事のことです。
2-2-7. その他の事務
また、特殊な事務職としては、学校事務・大学事務、医療事務があります。
学校事務とは、小学校や大学などの学校で働く事務職のことです。
学校の規模によって仕事内容は変わりますが、私立の学校でも採用があります。学校の規模によりますが、経理事務、人事事務・労務事務、総務事務の仕事を総称して担当することが多いです。
医療事務は、病院の受付で保険証の確認やカルテの整理などをする仕事です。医療事務の資格をもっていないとできません。
2-3. 資格は必要?
事務職に転職するとき、持っていた方が有利な資格はあるのでしょうか。
転職であれば、ビジネスマナーやパソコンスキルは必要最低限必要です。
社会人経験があれば、十分ですが、資格を持っているメリットとしては、3つあります。
- 転職する前から事務職をに就きたいというやる気ををアピールする
- 給与アップや特定の事務職の採用にアプローチできる
- より専門的な部分のキャリアアップにつながる
具体的な資格としては、
MOS
マイクロソフトオフィスが使えるかというスキルの証明になる資格です。家でパソコンを頻繁に使う機会がなかったことしても、この資格があれば大丈夫です。
日商簿記
経理の事務ならば、お金の流れを知る、決算書の作成時に必ず役に立つ資格です。
秘書検定 準1級
勉強すると「社会人としての一般常識やマナー」が身につきます。
人と接する仕事に自信がないときに勉強しておくと面接もあるので経験としても生かせます。
3. 事務職が転職に有利なサイト年齢別に紹介
事務職に転職したい、また事務経験があってそれを活かした仕事をしたい、と思っていたらどうすればいいのでしょうか。
ハローワークで求人を探すのも一つですが、仕事をしながら平日のハローワークに頻繁に通うのは難しいですよね。
そんなときに利用したいのが「転職エージェント」です。利用する世代別の20代、30代、40代と分けてポイントをまとめました。
20代におすすめの転職エージェント
マイナビジョブ20’s
20代と第二新卒に特化した転職支援サービスです。転職業界大手のマイナビが運営しています。
ネットで登録もできますが、東京、名古屋、大阪に実際の登録拠点があり、相談に乗ってくれます。
直接悩みを聞いてもらえるサービスは、はじめての転職で悩む人に好評のサービスとなっています。
ハタラクティブ
20代中心に、正社員の経験が浅い方、第2新卒で、キャリアに全く自信のない方に良いエージェントです。
未経験の仕事を探している場合のサポート体制もしっかりしており、書類選考率が90%と高いので、派遣社員から正社員を目指す方にもお勧めです。
30代におすすめの転職エージェント
パソナキャリア
30代で一番おすすめしたいのが、パソナキャリア。
女性の転職で高評価となっています。事務職は女性向けの案件が多いので女性からの評価が高いということで、バランスが良く担当者のハズレが少ない。
doda
30代は一番転職しやすい年齢層です。
キャリアアップや給与面でも優遇してもらうためには、転職サイトは国内最大級の情報量を誇り、履歴書や面接対策など具体的にサポートしてもらえるdodaがお勧めです。
また30代は、前職の経験を踏まえて「管理職候補」としての能⼒も期待されます。マネジメント面でも経験があると有利となります。
40代におすすめの転職エージェント
ビズリーチ
40代から一番指示されいるのは、ビズリーチです。
40代に入ると、20代30代に比べて求人の数は減りますが、経験を重視した採用が目立ちます。
そのため、転職サイト以外にの中でも、スカウトサービスが強いビズリーチをおすすめします。
公開されている多数の求人から自分で探すことも、国内外の企業のから逆にスカウトされることもあります。
他のサイトでは非公開の求人や、思いもしないレアな求人とめぐり会うことも。
管理職やキャリアアップの転職を考えている方におすすめです。
FROM40(フロム40)
次に人気なのがFrom40(フロム40)です。
40代からの転職は、転職先がなかなか見つからないこともありますFrom40(フロム40)では、求人の中でも40代以降を対象にした、正社員や幹部候補の求人も探しやすくなっています。
そのため、焦らず自分のペースで転職活動を進めることができます。
自分の今までの仕事の経験を活かせる企業に巡り合える可能性があります。
4. 退職の流れ
転職活動は、在職中に行う方も多いと思いますが、前職の上司や同僚にどのタイミングで打ち明けたらいいのか、退職手続きについて知っておくことがあります。
まず、転職先から内定をもらうと、退職の手続きも考えます。まとめて見ていきましょう。
4-1. 退職までの準備・心がまえ
転職先が決まっていない状態だと精神的にも不安定なこともあります。
そんな中で同僚に転職活動中に同僚にその話をうっかりしてしまったため、転職を見合わせることになってしまった話をよくききます。
心構えとしては、転職の意思がしっかりと固めた上で行動することです。
退職についての行動は、転職先企業から内定をもらって気持ちに整理がついてからにしましょう。
4-2. 退職意思の表示
退職の意思表示は、希望する退職日の1ヵ月から2ヵ月前に直属の上司にまず口頭で伝えます。
法律上は2週間前でも間に合いますが、会社には就業規則があります。
また、自身が抱えている仕事の引継ぎなどのスケジュールを考慮して、上司と退職日については決めることをおすすめします。
退職理由にてういては、会社の悪い部分を暴露してしまっては円満退社ができなくなります。
退職で上司に迷惑をかけるのは必須なため、なるべく個人的な理由にして、関係を悪化させずに穏便に退職するのも社会人としてのマナーでです。
転職先ははっきり伝えず、時には上手に濁しておくことも大事です。
4-3. 残務の処理と引き継ぎ
自分の仕事の引継ぎは、後任なる人に引継ぎができたら一番スムーズですが、直接引き継げないことも多くあります。
そんなときは、引継ぎ資料をまとめておくのが丁寧です。
退職後の業務がスムーズに行くような配慮は、自己都合で辞める手前、しっかりしたいところ。
メモ書きから仕事の内容をリストアップしまとめ、自分がどこまで進めたかをまとめておくと、会社側にとっては人が変わっても業務がスムーズです。
顧客や取引先に退職の挨拶も大切です。
直接出向いて挨拶することが基本ですが、時間的に難しいときは、挨拶状を出しておきましょう。
4-4. 各種手続きを行う
転職先が決まっている場合の書類も押さえておきましょう。
4-4-1. 会社からもらう書類
- 離職票(転職先が決まっている場合は必要なし)
- 雇用保険被保険者証(会社が保管している場合)
- 年金手帳(会社が保管している場合)
- 源泉徴収票
4-4-2. 退職時の公的な手続きについて
日本では、職場を通じて加入しているものがあります。
労災保険や雇用保険、年金や健康保険などの社会保険です。
また、所得税や地方税は、職場が給与から天引きして一括納入する法律があるので、押さえておきましょう。
地方税
住民登録をしている自治体の住民税。
給与から天引きされていますが、退職のときに残額を最後の給与から一括納入するのが原則です。
所得税
給与所得にかかる税金です。年末に正確な額を計算(年末調整)して多く払った分が戻ってきます。
源泉徴収票「年末調整」や「確定申告」に必ず必要なので、保管します。
公的年金
民間企業は「厚生年金保険」です。退職によって年金の種別が変わるので、その手続きが必要です。
健康保険
健康保険証を勤務先に返却
雇用保険
民間企業で雇われている人を対象にした保険
4-5. 転職先の就業規則と必要な書類
もちろん、転職先の準備も忘れてはいけません。
転職先の就業規則は必ず目を通しましょう。
特に確認したいのが副業です。許可している会社もあれば、社則で禁じている会社もあります。
有休消化期間の間に、予備知識を入れたり、これから必要な情報を仕入れるなど、即戦力になる努力も必要です。
提出書類のチェック
- 雇用保険被保険者証
- 年金手帳
- 源泉徴収票など
4-6. 転職先で必要な予備知識
入社日直前に慌てることのないように、採用担当者に確認しましょう。
また、事前に入手できる情報はしっかり手に入れておきましょう。
- 会社の組織図。支社や営業所の所在地と連絡先。
- 取扱商品の把握。
- 主要な取引先名、所在地など、
全く違う業界にの転職をするなら、転職先の業界について実用書や新聞記事に目を通しておくのも一つです。
5. まとめ
事務職の転職について、退職の流れや事務職に有利な資格、20代から40代のおすすめの転職エージェントについて解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
転職する前にしておくべきことや、退職までの流れまでが頭に入ってれば、効果的に転職エージェントを使って自分に合う転職先を効率よく見つけることができでしょう。
転職活動をスムーズに進められる参考になると嬉しいです。