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早い?遅い?「20代転職」の実態と成功するために知っておきたい3つのポイント

昨今、転職市場は「売り手市場」だと言われています。

また、新卒人材の確保が思うようにいかない企業が多いため、転職市場における20代の価値はその代替的に高まってきており、一昔前と比べて好条件で転職を成し遂げる人も増えてきているようです。

ただし、転職を目指す20代と求める企業の思惑は必ずせよ一致しておらず、入社後にミスマッチを引き起こしてしまうことが多いのも事実です。

今回は「20代転職」を成功させるために抑えておきたいポイントを解説します。

1. 「20代転職」市場の実態

まず、20代転職の市場について見ていきます。

1-1. 新卒求人と一般求人の違い

まず、新卒求人と一般求人の違いについて知っておく必要があります。

新卒求人とは正社員として未就業の学生・生徒(大学・高校などを卒業予定の者)を採用するために出す求人です。(一部では既卒者でも未就業であれば新卒求人を適用する場合もあり)

それに対して一般求人は「新卒求人以外」の求人を指します。

つまり、転職を目指す人は社会人1年目でも10年目でも、「一般求人」の中から仕事を探すことになります。
※いわゆる「第二新卒求人」も厳密には「一般求人」扱いとなります。

2019年卒の高校新卒者向けの求人倍率は2.37倍(厚生労働省)、大学新卒向けの求人倍率は1.88倍、中小企業に限定すると9.91倍(リクルートワークス研究所)に上ります。

一方、一般求職者の求人倍率は1.63(2018年12月)ですので新卒求人に比べて低いため、一般的には「転職活動は新卒で仕事を探すよりは難しい」ことがわかります。

1-2. 派遣と契約社員の20代転職

最近は新卒でも非正規雇用(派遣社員・契約社員)として勤務する人も多く、正社員としての転職を目指す非正規社員も増えています。

一般的には非正規から正社員を目指すことは難しいとされていますが、20代に限ればそうとも言い切れません。

また、業種や職種によって、若いうちは経験や現在の立ち位置よりもポテンシャルを重視して採用するケースもあるため、正規社員というだけで正社員として転職することをあきらめてしまうのは、少々早計といえるでしょう。

目次

2. 「20代転職」は早い?遅い?

では、20代で転職することは「早い」のでしょうか?「遅い」のでしょうか?

結論を言えば、この答えは「一概にはいえない」が正解ですが、正確には「ケースによって違う」ということになります。

また、「早い・遅い」ケースでも打開する方法がありますので、ケースとそのメカニズムを理解する必要があります。

2-1. 企業が20代に期待すること

転職を成功させるにはまず、企業が20代に期待することを知る必要があります。

とは言っても「何を期待するか?」とは業種・職種やその時企業が置かれている状況(事業成績や退職者の有無など)によっても変わってきます。

経営者や担当者によって考え方も様々ですが、一般的かつある程度共通している項目を挙げていきます。

2-1-1. 多くはポテンシャルを重要視する

在籍する社員の平均年齢によっても変わってきますが、多くの企業は20代で入社する社員に対して一番期待することは「ポテンシャル」つまり将来性です。

簡単に言うと、全社での定量的な実績より、取り組み方・考え方、人柄などの定性的な部分を重視して採用する企業が多いということです。

もちろん人柄や取り組み方が実績に直結していればいうことはありません。

前社ではたまたま結果は残せていないが「将来性が期待できる」と判断されれば、20代転職の成功に1歩近づくことができたといえるでしょう。

2-1-2. 業種・職種によっては即戦力とみられる場合もある

専門的な知識や技術が必要な業務や慢性的な人手不足に悩んでいる企業等は20代であっても転職組には即戦力として期待されることがあります。

例えば情報通信業でエンジニアやプログラマーとして活躍したいのであれば企業にもよりますが25歳を過ぎれば未経験やそれに近い実績では転職は難しいでしょう。

また専門的な知識を必要とする一部の営業職(MRなど)は基礎知識か営業経験のいずれかが必須となることがほとんどです。

そのほか、人員不足のため新人教育に時間を費やす(人員を割く)ことができない企業は、即戦力として活躍できる人材を欲しているため20代だからと言って全くの未経験者が転職をすることは難しいでしょう。

2-2. 企業が20代を雇うリスク

企業が転職者を受け入れる場合、年代によって様々なリスクがあります。

例えば務経験豊富で高スキルを持つ40代、50代の転職者は「報酬が高額」「年齢的に定年退職までの期間が短い」などです。

それでは20代の転職者を雇う際にどのようなリスクがあるのでしょうか?

2-2-3. 「やめ癖」がついていないか?

20代で複数社を経験している人を採用する際、採用担当者は「うちの会社もすぐに退職されるのでは?」と考えてしまいます。

実際、初めての転職よりもある一定回数までは回数を重ねるごとに転職に対する心理的ハードルは下がります。

特に20代は独身者が多いうえに未経験業職種や体力的にハードな業務などを含む職業の選択肢も多いことから、転職回数を重ねるごとに転職(離職)に対して軽く考えてしまう傾向があります。(もちろんすべての人ではありません)

せっかく採用した人材が活躍する前に退職してしまっては採用や教育研修にかかった費用をペイすることができませんので、企業としては大きなリスクといえるでしょう。

2-2-4. 経験・スキルが期待できない

中には20代でも輝かしい実績をもって転職する人もいますが、ほとんどの場合、20代で獲得したスキルや経験のみで転職先でも活躍できるほど甘くはありません。

採用する企業は、前社での実績やスキル、人柄や考え方などから自社でどの程度活躍してくれるかを予測して採用するわけですが、思ったほど活躍せずに期待を大きく裏切られるケースも少なくありません。

よって、実績やスキルに乏しい20代を採用することは企業にとってリスクであり、採用担当者の腕の見せ所でもあるわけです。

3. 「20代転職」を成功させるためのポイント

前述の通り、20代の中途採用者を採用するということは、企業にとってはメリット・デメリットがともに存在します。

ではどうすれば20代転職を成功させることができるのでしょうか?

POINT①年齢に応じた転職活動

まずは、年齢に応じた転職活動をすることを心がけましょう。

一口に20代といって大学卒業1年目の22歳や高卒3年目の21歳から、アラサーといわれる29歳まで幅広く指すので、これらをひとくくりに「20代」として考えるのは危険です。

20代前半~半ばの場合

多くの企業は20代前半~半ばに対しては自社に入社してからの成長を期待するポテンシャル型の採用をしています。

特に20代前半の場合、主に既卒後3年未満者を対象とする第2新卒求人が適応される場合もあり、時には新卒と同様の基準で採用を行う場合もあります。

よって前社での実績アピールよりも、「入社意欲」や「勉強意欲」など定性的なアピールおよび、新卒との差別化を図るためにも社会人としてのマナーを意識して書類作成や採用面接に臨むと良いでしょう。

20代後半の場合

20代も後半になると社歴が5年を超え、高卒では10年にも達する人もいます。

当然採用する企業としては入社後早い段階での戦力化を望みますので、前社で身についたスキルや実績のアピールは必須となります。

とはいえ企業から見た20代の魅力の一つは「柔軟な発想を持っており前社に染まりすぎていない」ところでもあるので、「前社の経験を活かしながらも新しい会社で一から勉強しなおすつもりで頑張りたい」をいう姿勢を見せることは重要です。

POINT②重要な「情報収集」と「自己分析」

20代に限らず転職活動では「情報収集」と「自己分析」は重要ですが、その方法や内容は年代ごとに少しずつ変わっっていき、40代以上になると20代とは全く違うアプローチで活動をすることになります。

それでは20代の活動方法をご紹介します。

転職活動の情報源

転職活動でまず重要なのが情報収集です。

その源となる情報源は公的機関(ハローワークなど)、民間企業(転職サイト、エージェントなど)、私的資源(コネクションなど)の3つですが、そのうち20代では公的機関および民間企業中心の活動が中心となります。

特に大都市圏では転職サイトやエージェントを効果的に利用することで迅速で有利に転職活動を進めることもできますので、まずは自分に合ったサイトやエージェント探しから始めるのもよいでしょう。

また、地方では民間サイトの情報量が少ないためハローワークや自治体の就職支援窓口のほうが圧倒的に転職活動がしやすい場合もありますので、自分の住む地域の特徴を理解してみあった活動をすることをお勧めします。

新卒の時よりも「自己分析」が大事

新卒の就職活動の際必ず行う「自己分析」ですが、実は転職活動の際も必要です。

それどころか、むしろ一度社会に出て年齢、経験を積み重ねた分、自分の経験や能力をより具体的企業に提示し、学生の提示するそれとは差別化しなければなりません。

そのため転職活動にとって自己分析はより大切なのですが、お薦めの方法としてはまず「職務経歴書」を作成してみることです。

職務経歴書は履歴書と違い経歴を淡々と記すだけではなく、どのような業務にどのように取り組み、どのような実績を上げてきたかを擬態的に記す必要があります。

作成しながら自動的に自己分析を進めていくことができます。

また、完成した職務経歴書はそのまま応募書類として使用するのではなく、必ずプロに添削してもらうようにしてください。

※ここでプロとは公的機関、民間企業などで転職活動を支援している職業に携わる人のことを指します。(キャリアコンサルタント、転職エージェントなど)

POINT③納得できる「退職理由」を考えよう!

転職という行為自体は回数を重ねるたびに抵抗感が薄れハードルが下がってくるものですが、ある一定数以上になると成功率が大きく下がっていきます。

具体的には、業種・職種や企業風土にも関係するため一概には言えませんが、20代で転職回数が3回を超えると、転職先として受け入れる企業の数は極端に少なくなると考えたほうがよいでしょう。

※一部の業職種では様々な企業で数多くのプロジェクトに参加することでキャリアアップにつながる場合もあります。(情報通信業など)

転職回数はなぜ重要?

それでは企業はなぜ転職回数を気にするのか?

答えを簡潔に言うと「自社を退職する確率が高い」と判断するからです。

先にも述べましたが転職は回数を重ねるごとに行為のハードルが下がってきます。

また「転職回数=退職回数」ですので、自社を退職されてしまうリスクを考え、転職回数が一定以上になると自動的に足切りをしてしまう(採用選考事態を行わない)企業も多いことを頭に入れておいたほう良いでしょう。

ただし、回数を重ねているからと言って転職(退職)は悪いことでは決してありません。

転職回数(退職回数)が多くても、企業にとって「自社の退職につながらない」納得のいく理由を説明できればマイナス要素にならない場合もあります。

もちろん虚偽の説明はよくありませんが、

  • 「自分がなぜ前社を退職したのか?」
  • 「次に行く会社では絶対に同じことは起こらない。なぜならば、、、」

をよく考えて、しっかり説明できるようにしておきましょう。

4. まとめ

20代の転職は「簡単である」という人も「安易に考えていては危険だ」という人もいますが、その両面を持ち合わせているといえます。

転職をすべき判断基準は人それぞれですが、「正しい情報」を収集し、「効果的な方法」で転職活動を進めていけば、20代転職を成功させることができる可能性は他の年代に比べて高いと考えます。

ただし、いたずらに転職回数だけが増えて自分の市場価値を下げるという結果にならないよう、「自分が転職(退職)したい理由」をよく考え、採用面接の時だけれでなく他人に聞かれたときに理路整然と説明できるようにしておくことをお薦めします。

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