様々な空間をデザインする「空間デザイナー」という仕事は、いま注目を集めています。
自分が手がけた空間が形に残り、何度も訪れることができるのは、とてもやりがいのある仕事といえます。実際に自分が訪れた場所に心を打たれて「私もやってみたい!」と考える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、「空間デザイナー」と聞いても、どのような仕事をしているのか、イマイチ分からず疑問を感じる人もいるはずです。
この記事を書いているわたしは、空間をデザインする仕事に携わった経験があります。
このサイトでは、業界経験者の視点より、
- 空間デザイナーとは?空間デザイナーになるためにはどうしたら良いか
- 空間デザイナー向いている人の5つの特徴
- 空間デザイナーに転職する上での注意点
この3点についてご紹介いたします!
この記事を読むことで、空間デザイナーに対する知識がつくとともに、自分に不足しているスキルなどを知ることができるでしょう!
1. 空間デザイナーとは?
空間デザイナーとはどのような職業かをご説明します。
1-1. そもそも「空間デザイン」とは?
空間デザイナーとは、建物の内部のデザインを担当する仕事です。
中でも、住宅・店舗の内装分野、イベント装飾分野、展示会分野など様々なジャンルがあります。
担当する分野によって、設計する上で注意するポイントが異なります。まずは自分がジャンルをデザインしたいか考えてみましょう。
1-2. 仕事内容について
大まかな流れは下記の通りです。
- クライアント様の要望をヒアリング
- 空間を構成する基本プランを検討
- 空間構成や各マテリアルなどを精査し、設計図面を作成
- 実際に空間を施工する協力会社と打ち合わせ
- 現場進行中も何度かチェックし、予定通り進んでいるか監理
基本的にデザイン責任者という立場で、案件の最初から最後まで空間に携わることになります。
自分がデザインした空間がカタチになるになるということは、非常にやりがいがある仕事です。
1-3. 平均年収や休日・勤務時間について
1-3-1. 平均年収について
年収は勤務先の会社規模にもよりますが、500万円前後です。
会社規模 | 年収 |
大手企業 | 500万〜600万程度 |
小さな事務所 | 500万に届かない可能性あり |
1-3-2. 休日・勤務時間について
- 土日休み・8時間労働
年収に関しては勤める企業の規模とご自身のスキルで大きく異なります。
また休日に関しては、比較的に取りやすいと言えます。いつまでに何をするという締め切りありきの仕事なのでご自身でスケジュール管理がしやすいためです。
しかしプレゼンなどの締め切り前は、ハードな残業を強いられることもあるでしょう。
残念ながら、必ず定時で帰れるという仕事ではありません。
2. 空間デザイナーになるには?
空間デザイナーになる方法について解説します。
2-1. 業種や職種など求人はどのくらい存在する?
求人数全体約100件のうち、業種は内装設計施工会社、職種は内装設計が半数を占めています。
空間デザイン・空間設計の求人数 | 約100件 |
業種 | 建築事務所・設計事務所・工務店等・内装設計施工会社 |
職種 | 建築設計・内装デザイナー ・ディスプレイデザイナー・デザインアシスタント |
2-2. 持っていた方が良い資格
資格系(あったら良い)
- 一級建築士、二級建築士
- カラーコーディネーター、インテリアコーディネーターなど
スキル(ほぼ必須)
- 作図スキル(2D・3D)
- Illustratorスキル
- Photoshopスキル
建築士の資格は実務経験が必要になりますので、経験者向けの資格です。将来的に規模の大きな案件などを目指したい方は取得した方が良いでしょう。
カラーコーディネーターやインテリアデザイナーは勉強して試験に合格すれば手に入れることができます。ですが、無いからといってデザイナーになれないというわけではありませんのでご安心ください。
スキルに関しては、記載したもの全て使えるようになることをオススメします。
入社時に必須スキルかどうかは企業によって異なりますので、応募時に確認が必要になります。
2-3. 空間デザイナーの求人が豊富な転職サイトに登録する
空間デザイナーの求人はそこまで多くはありません。華やかなイメージもあるので、倍率も決して低くはないでしょう。
そこで、空間デザイナーとして転職を成功させるために、求人数が豊富な転職サイトをご紹介します。
リクルートエージェント
一般の求人サイトには掲載していない非公開求人を20万件以上保有、転職支援実績は累計41万1,000名以上(2017年3月期時点)の業界No.1の転職サービスです。
面談場所も全国の主要都市に配置していることも強みの一つです。(東京・西東京・宇都宮・さいたま千葉・横浜・京都・大阪・神戸・名古屋・静岡・北海道・東北・岡山・広島・福岡)
特に求人数が他社のサービスと比べ圧倒的に多いので、空間デザイナーの求人も豊富に取り揃えています。
doda
非公開求人含む14万件近くの求人数を保有する総合型の転職エージェントであり、リクルートエージェントに次ぐ業界2位のポジションに位置しています。
転職相談者への対応がピカイチで利用者からの満足度が高いサービスです。
他社の転職エージェントと比較して特にキャリアアドバイザーのスキルが優れているので、希望の空間デザイナーの求人を紹介してくれるだけでなく、面接に合格するためのアドバイスも的確にしてくれます。
マイナビエージェント
若年層の就職・転職支援を強みとしており、社会経験が少ない第二新卒者にとっても利用しやすいサービスとなっています。
特に首都圏や関西圏で仕事を探している方にとっては求人が豊富で、充実した転職サポートを受けられます。
未経験からの転職や初めての転職でも丁寧にサポートしてくれるので、空間デザイナーに転職するためのサポートにも尽力してくれるでしょう。
3. どんな人が向いている?空間デザイナーの特徴5つ
空間デザイナーに向いている人の特徴を5つお伝えします。
3-1. 物事を合理的に考えられる人
空間におけるデザインとは、「課題解決の糸口」という位置付けです。
「このサイズにしたら利用者が使いやすくなる」や「この形にしたら視線を集めることができる」など、常に利用者目線に立ち、いかに快適に過ごせるかどうかを考えることができるかどうかがデザイナーにとって重要になります。
「赤色が好きだから、赤にする」というようなデザイナー本人の趣味嗜好でデザインを決定するわけではありません。
常にクライアント様やエンドユーザー目線に立ち物事を考えることのできる合理的思考の持ち主が向いているといえます。
3-2. 細かい作業が好きな人
何かを決定する際には、1mm単位で会話をする仕事になります。
その、mm単位のこだわりを持てるか否かがデザイナーに向いているかどうか決まるといっても過言ではありません。
クライアント様やエンドユーザーの方が使いやすいサイズを検討し、度重なる修正を要するときもあります。
細かな修正を絶えず行うことで、最終の仕上がりが納得できるものになりますので、細かな作業に気を張れるかどうかがポイントです。
3-3. 新しい知識を得ることが好きな人
デザインの見た目を決めるマテリアルは、日々変化するものです。先日までなかった素材が、新しく出てくることも多々あります。
また、空間デザインも日々アップデートされているため、様々な空間から今までになかったデザインを知り、刺激を受けることもデザイナーとして大切になります。
「空間を表現するプロ」としてできるだけ多くの空間をインプットするためにも、常に新しいものに対するアンテナを張り、実際に自分の目で見に行く行動力が必要になるでしょう。
3-4. スケジュールを守ることのできる人
ビジネスの基本要素ですが、「スケジュール管理」は非常に重要です。ハッキリ言って、スケジュール管理ができなければ、デザイナーには向かないでしょう。
経験を積むと担当する案件は増え、様々な案件を同時に進めることになります。
また、デザイン案を募るコンペなどに参加する場合は、締切が厳格です。
一つのことに集中しすぎて他が疎かになってしまったり、何をいつまでにという概念が抜けてはいけません。
自身の仕事の予定を管理できるかどうかは、デザイナーとして必須条件です。
3-5. 自分の意思をハッキリと伝えることのできる人
デザイナーとは、様々な決定を求められる役割です。
壁の色をどうするか、床の仕上がりは何にするか、どのような照明を使用し、どのような家具を置き何を置くか、など決めなければいけないことは山のように出てきます。
その際に「自分がこの空間におけるデザインの責任者である」という意思を持ち、多くの人たちに伝える能力が必要になります。
相手の意見に流されて自分がなくなってしまうようであれば、デザイナーは務まりません。
違う意見が出てきてディスカッションすることもあると思いますが、自分の意見を伝え、相手の意見とどう取り込むか検討する柔軟な思考も重要です。
4. 空間デザイナーに転職する上での注意点
空間デザイナーになる前に注意しておくべきこともお伝えします。
4-1. 決して華やかな業界ではない
一見、華やかな世界に感じるかもしれませんが、デザイナーとは、地道な作業の連続で成り立っている仕事です。
お客様の要望に合わせた微調整の連続で、その度に図面の修正や関係各所への連絡が発生するでしょう。
どんなに小さな仕事でも手を抜かずひとつひとつこなす集中力と忍耐力が必要です。
4-2. 実は、体力ありきの仕事
デザイン責任者という立場で、案件の最初から最後まで空間に携わることになります。
『何もないところから自分が考えた案が形になることを見届ける』それこそが空間デザイナーの醍醐味といえるでしょう。
しかし最初から最後まで携わるためには、かなりの体力が必要になります。
時には現場確認で夜に仕事をしたりすることもあります。
ある程度の覚悟が必要になるでしょう。
5. 最後に・・・
私がこの業界を目指したときは「新しい場所に行くことで新しい発見があるからこの仕事に就き、様々な場所を作りたい!」という志でこの世界に飛び込みました。
自分がどの分野でデザイナーとして活躍したいのかを考えておくと、目標が定まり目指すべき人に対するアンテナが張れるようになります。
デザイナーは「個性の塊」といえるほど特徴的な人ばかり集まっています。
その中で、自分が埋もれないようにするためにも
- 「なぜ自分は空間デザイナーを目指すのか」
- 「どのようなデザイナーになりたいか」
という問いに今一度向き合い、挑戦してみましょう!