Javaのスキルがあると、転職する際に有利だとよく言われます。
その理由としましては、Javaは汎用性が高く、さまざまなシステムやアプリに使用されている開発言語だからです。
ただし、Javaは需要が高く、求人数が多いため、自分の希望に合った転職先を見つけるのが難しいという一面もあります。
この記事では、Java経験者のエンジニアが転職に有利な理由や、転職する際に知っておきたいポイントをお知らせします。
1. Java経験者の転職が有利な理由とは
他のプログラミング言語より、Java経験者の転職が有利な理由を解説していきます。
1-1. ニーズが安定しているから
Java経験者が有利の理由は、Javaのスキルを必要とする求人が多いためです。求人数が多いということは、それだけJavaを利用した開発が多いということになります。
官公庁や金融系などの業務系システムから、ゲーム業界でのゲーム開発、ベンチャー企業でのスマホアプリ開発まで、Javaはニーズが高く安定しています。
また、プラットフォームに影響されることがない言語であり、大規模システムから小規模システムまで稼働できることが強みとなっています。
1-2. Java経験者のITエンジニアを求める転職求人市場は今後も伸びる可能性が高い
Javaは歴史の長いプログラミング言語であり、世界中にも広く使われている実績があります。
さまざまな種類のあるプログラミング言語の中で、最も標準的な言語であるとも言われており、現在でも新規開発案件にJavaを採用するケースは多いです。
今後、他言語や新技術の影響により、Javaの新規開発が減ってくるとしても既存システムの保守開発があるため、すぐに他の言語に置き換えられることは考えにくいでしょう。
1-3. 即戦力志向のIT企業では重宝されることが多い
Javaでの案件が発生した場合、難易度にもよりますが、Java未経験者を育てるのは時間とお金が掛かってしまうので、即戦力を求めている企業はJava経験者が重宝されます。
年齢では、20代後半を中心とした採用傾向が強いようです。
2. Javaが活用される理由
他のプログラミング言語がある中、Javaが活用されている理由は以下の通りとなります。
2-1. 汎用性の高さ
Javaの汎用性の高さを支えるのは、「JVM(Java仮想マシン)」になります。
このJava仮想マシンが、デバイス本体と実際に動くプログラムの通訳の役割を果たすので、どのようなデバイスであってもJava仮想マシンが動作すれば、Javaを利用することができます。
そして、この機能があることでAndroidアプリの開発も可能にしています。
2-2. 大規模なシステム開発に向いている
世の中にはプログラミング言語は多数存在していて、それぞれに向いている開発案件に違いがあります。
Javaは、大規模案件に適しているプログラミング言語になります。これは、オブジェクト指向という言語的な特徴と関係があって、プログラムを細かな機能で分解できるようになっています。
この特徴によって、大人数のチームで開発する時でも部品を組み立てる事でシステム開発ができるので、ソースコードの読みやすさや管理のしやすさにも繋がります。
また、Javaはセキュリティが高い言語であるため、金融機関の大規模システムなどの高い品質が求められる開発でも用いられています。
大規模なシステムほど、リリース後の利用期間が長くなる傾向があります。
2-3. Android開発ができる
Javaは汎用性の高さにより、どこでも動くという特徴があるので、拡大を続けているスマートフォンアプリの市場における案件数が高い傾向にあります。
Andoroidアプリ開発にはJavaが用いられることが多いため、Androidアプリ開発技術を持つエンジニアの需要は今後も高まっていくと予想されます。
そして、今ではスマートフォンを持っている方が多いので、個人でもすぐに開発できる点でも優れています。
2-4. 初心者でも学びやすく習得しやすいから
JavaはC++を発展させ、ガベージコレクションというメモリ開放機能を自動にしたことで、普及したプログラミング言語です。
JavaはC++やCなどに比べて、親しみやすいので、エンジニアとしては、習得しやすい言語といえます。
2-5. 他の言語でも通用するから
Javaは代表的なオブジェクト志向で、IT企業の新人エンジニア研修でも多く使われています。
Javaが持つ概念や機能は他のプログラミング言語でも応用できるため、新人が習得すべき基本言語として多くの企業が取り入れています。
Javaで身につけたオブジェクト指向はC#やPHP、Rubyなどのオブジェクト指向言語を習得する際にも役に立ちます。
3. Javaエンジニアの年収事情
ビズリーチが運営する求人検索エンジン『スタンバイ』が、「プログラミング言語別年収ランキング2018」(提示年収の中央値ベスト10)は以下の内容で発表しています。
順位 | 言語 | 年収中央値 | 最大提示年収 | 求人数 |
(万円) | (万円) | (件) | ||
1 | Go | 600 | 1,600 | 2,202 |
2 | Scala | 600 | 1,300 | 1,489 |
3 | Python | 575.1 | 1,499 | 9,344 |
4 | Kotlin | 575 | 1,200 | 961 |
5 | TypeScript | 575 | 1,200 | 667 |
6 | R | 574.8 | 1,000 | 220 |
7 | Ruby | 550 | 1,200 | 11,676 |
8 | Swift | 550 | 1,200 | 3,353 |
9 | Perl | 525 | 1,200 | 4,509 |
10 | C | 525 | 1,000 | 9,347 |
Javaの年収中央値は500万円で14位でベスト10に入っていませんでした。
この結果から見ると、他のプログラミング言語と比べて、決して年収が高いとは言えないです。
とはいえ、Javaの求人数は3万4,000件と多いので、年収にこだわなければ、転職しやすいと言えます。
4. Javaエンジニアが転職するときのポイント
Javaは求人数が多いため、将来、キャリアの方向性を考えて企業を選ぶ必要があるため、以下のポイントを押さえて転職活動を進めていきましょう。
4-1. 求人情報は必ず開発環境とフレームワークをチェックする
エンジニアの求人情報を確認する際は、仕事内容などの項目に記載されている開発環境とフレームワークに関する情報をチェックしておきましょう。
Javaはフレームワークの種類が豊富なので、応募先によってはフレームワークを新しく習得する必要があるかもしれません。
また、開発環境についても開発ツールやOS(Windows、Linux)なども確認しておきましょう。
4-2. 職務経歴書を書くときは担当した業務を細かく記載する
職務経歴書を書く際は、担当したプロジェクトごとに概要と担当業務を記載しましょう。具体的には、以下のような項目をまとめます。
- 開発期間
- プロジェクト名や業務内容
- 開発環境(OS・開発言語・フレームワーク・DBなど)
- 担当業務(機能追加/設計など)
- 役割(リーダー/メンバーなど)
- プロジェクトの人数
- そのほか特記事項(DBのチューニング、UMLでの設計など)
4-3. 将来、キャリアの方向性を考えて、企業を選ぶ
転職する際、今までのJavaスキルを活かして、どんなキャリアを目指していきたいのかを考えておきましょう。
スキルを更に技術を磨きをかけたり、プロジェクトのマネジメントを目指したりと
ポジションアップを狙う選択肢もあります。
Javaエンジニアの求人が多いため、あなたがこの先どのようなエンジニアになりたいのかを考えて、じっくりと企業を選びましょう。
4-4. Java経験者のアピールできるスキルは業種によって変わる
行きたい企業を絞ったら、転職希望先での開発内容に沿って、以下のようにアピールポイントを整理しましょう。
4-4-1. 業務システム開発でアピールする場合
業務システム開発の企業にアピールする場合、以下の能力が求められます。
- システムを発注したクライアントと要件や設計を詰めるコミュニケーション能力
- 納期までに開発を完了させられるスケジューリング力やプロジェクトマネジメント能力
そのため、これまでの経歴で以下のアピールポイントを参考にするといいでしょう。
- クライアントやプロジェクトメンバーとのコミュニケーションの仕方で工夫したこと
- 納期を守るために実践していること
- バグを少なくするために工夫していること
4-4-2. スマホアプリ開発の会社にアピールする場合
スマホアプリ開発は業務システムに比べて、技術の進捗が早いため、新しい技術への興味や取り組みをアピールするといいでしょう。
- 関心のある新しい技術
- 個別的にスマホアプリを開発している
まとめ
Javaは汎用性の高さや習得のしやすさなどから、転職市場でも特に求人数の多い言語です。
スキルの習得レベルに応じて年収額は変わってきますが、上流工程やリーダーなどの経験を積んでいくことで、高待遇で転職できる可能性が十分にあります。
IT企業での転職活動する際は、この記事で紹介したポイントを参考にして頂けましたら、幸いです。